延喜式内社や全国一宮など
朝日,映えわたる見沼の神域 ~大宮氷川神社


●朝日さす,朝8時の大宮氷川神社
さいたま市に鎮座する大宮氷川神社。関東に200社以上もある氷川神社の総鎮守として有名です。
地元では,「大宮」の異名をとる境内の朝8時。
鬱蒼とした樹木の暗緑色と朱色の社殿が対照的でした。
そして,朝日を受けて陰陽のコントラストが境内のいたるところに現れました。
【楼門~柱廊】



律令の頃,武蔵國の三之宮として,国司の奉祭を受け,中世以降には一之宮と位置づけられたこともあったようです。
須佐之男命, 奇稲田姫命そして大己貴命といった出雲の神々を祭神とする大宮氷川神社。
社伝にいわく,紀元前5世紀の昔に創始され,この地での祭祀が始まったという,坂東きっての古社。

●柱廊の奥から楼門をのぞみます
出雲族が信濃を経て東国に進出したのは,紀元後の弥生時代後期より前に遡らない頃だろうとされています。
大宮氷川での最初の神官とされる,兄多毛比命(エタモヒノミコト)もまた,記紀によれば,ヤマトの三輪王権末期のころの人。
紀元前5世紀といえば,筑紫では既に稲作が基盤とした弥生文化が栄えた頃であっても,この坂東の地は縄文文化の末期。
古社とはいえ,出雲の神々がそんな時期から奉祭され始めたというのは無理があるのでは,という異見もあったりするのです。
とはいえ,鬱蒼たる本拝殿の一郭などには,この神社が辿ってきただろう悠久の歴史を彷彿とさせられます。

●楼門内に聳える大木。